Monday, January 26, 2009

所有から利用へ

昨年12月1日からNHKオンデマンド放送が始まった。 英国BBCを先行指標としてネットで過去に放送された番組を公開したのだ。
NHKの今井義典副会長は、その開始セレモニーで、「オンデマンド配信は10年前は夢物語でした。まさに今テレビの見方、楽しみ方が変わる歴史的瞬間だと思っています」 と言っていた。 
配信内容の詳しいことは、HPから参照して欲しいが、こちらから) 見逃した番組は単品で210円から、見放題(1週間分のプログラム)で月1470円だ。
価 格については視聴者の価値次第で何ともいえないが、英国BBCの視聴者は放送受信料を支払っているので、放送された番組は受信者のものというスタンスだが、同じく受信料 を支払っている日本の受信者は見逃した番組を見るのは有料だ。 また番組のコピーは出来ないことになっている。
HDDによる録画が各家庭で普通になっている今日、果たして所有できないサービスに皆がお金を払うのか、興味のあるところだ。
元来、所有権=価格メカニズムが一般的な常識であった。 需要が少なく供給が多いと価格が下がるし、その逆は上がる。 しかしネット時代になってその常識が変わり始めている。

例えば、前回も紹介した音楽では、YouTubeのマッシュアップ(まったく何もない状態から創造するのではないが、すでに在るものを用いて再び新しいものを創生する、というニュアンスがある。リミックス曲などがマッシュアップに相当する。)だが、好きな音楽家や曲を検索すると、その音楽家のCDや演奏がリストアップされて聞くことが出来る。 曲名を検索すると、その曲を演奏しているいろんな音楽家の演奏を聴ける。 すべて無料だ。 好きな歌手のCDを選ぶと、全曲が終わるまで継続して聞けるので、バックグラウンドミュージックとして最適だ。
しかも演奏動画付である。 こちらから試してください。
いつでもネットにつなげば欲しい曲を聴くことが出来ると、個人での所有は余り意味を持たない、そうするとiPodなどのデジタル機器による楽曲購入も不要になるのかも知れない。


新聞社はいずこも赤字に転落している。 新聞を取らない若者が増えていると言う。 私も新聞は取っていない。 ニュースはネットで十分だが、女房はやはり一覧性のある紙面が欲しいと言うので「産経ネットビュー」をネット上で購読している。
これは月額315円で一週間分の産経新聞朝刊を読むことが出来るサービスである。広告も含めて紙面を再現できる。 画面では新聞紙一面分は小さくなって読めないだろうと思われるかも知れないが、読みたい記事は自由に拡大できるので、かえって紙面を読むより老人には楽だ。
新聞社は紙面をコンピュータで作っているので、単にそれをネットに公開すればこのようなサービスがすぐできる。 今のところ産経新聞だけのサービスだが、彼らはiPhone上でこのサービスを無料で提供している。 産経NetViewはこちらから


女房が使っていたPCがクラッシュしてすべてのファイルが壊れた。 古いコンピュータなので仕方がないが、データが飛んでしまったのが問題だ。
しかし、メールやブックマークはすべてネット上にあったので(Yahoo,Gmail)、過去のあらゆる送受信メールに損失はなかった。 写真も一部はGoogle Picasa上のネットアルバムに上げておいたので、無傷で済んだ。 唯一ワードで作成していたドキュメントが失われた。
これに懲りて、彼女は今、グーグルドキュメントで資料作成を試みている。 ワードやエクセルで作った資料はこまめにネットに上げておくことだ。
PCのユーザー一人一人がハードディスクにバックアップを取るより、コスト面、エネルギー面からも安全、安価である。
データやプログラムを個々のPCに所有するのではなく、必要なときにネットから持ってきて使う。
個人使用はもちろんのこと、企業でもこの動きが活発になっている、例えば、JTBグループでは自社開発のメールシステムを廃棄し、Gmailへ全面的に切り替えを決めた。 メールシステムの運用、拡張性、バックアップ、グローバルサポートなど、自社開発のメールシステムよりはるかに効率的なのが理由だ。

情報処理の世界では、所有が作る価格メカニズムがどうやら従来とは異なった経済を形成し始めているのではなかろうか。







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