Sunday, November 13, 2011

今年の正倉院展




金銅のペンダント
今年の正倉院展の目玉、唐から伝わったとされる「金銀鈿荘唐太刀」と、紅色に染められた象牙の物差しが素晴らしい。
平日にもかかわらず大勢の観客が詰めかけていて、奈良国立博物館に入るのに40分待ち。 これでも少ない方だと警備の人が言っていた。 数点を除いてそんなに見栄えのする派手な展示物は多くないのに、これだけの観客が毎年やってくる。日本人はとても教養人が多いのかも知れない。
紺地金銀絵箱
海外の美術館でこんなに沢山の観客を見たことがない。一観客としては空いていて好きな展示物の前でじっくり、ゆっくり、心ゆくまで楽しみたいと思う。美術館に行くのなら絶対海外だ。

しかし、毎年正倉院展に感動する。まるで昨日出来たように、まっさらに見える御物に接すると、よくまあ壊れないで残ってくれたものだと思う。
今回の唐太刀の作りの美しさはやはり一見の価値はある。
光明皇后が東大寺に献納した品々を記録した「国家珍宝帳」に記述があって、この太刀が唐から来たものである事がはっきりしている。
1300年も前の太刀の来歴がはっきりしていることだけでもすごい。
聖武天皇の太刀は1000本以上献納されたが、残るのは3本だけ。
唐太刀
他は、764年藤原仲麻呂の乱で、東大寺から持ち出されて使われた、そして戻って来なかった。

入館に40分も待ったのに、館内は人の波、展示物を人の頭越しに見るような状況。この唐太刀展示場は、また大行列が出来ていて、大人気。並んで見ていても太刀の前に居られるのはほんの数分、ちらりと見て、行列コンベアーで次に押し出される。
紅華撥鏤尺

「紅華撥鏤尺」は象牙の表面に模様が彫り込まれ、紅色に染められた物差しである。 殆ど毎年、同様の物差しが展示される、とても手の込んだ美しい細工がされている。 傷などないので実際に使用されたものではなく、工芸品として造られたのだろう。

聖武天皇がまとったとされる袈裟など数多くの織物もあった。
私には細かな柄が織り込まれた、この袈裟より、役人が着て執務をこなしたとされる衣装(袍)に感心した。
写真で見るように大胆な柄と、色彩の鮮やかさに驚く。現代でも通用するようなデザイン、古代の人達のセンスや好みを何と言うべきか。
執務時に着用した袍

帰りは奈良博から散策がてら、奈良町の酒造メーカー「春鹿」の試飲販売店に立寄る。
「今西書院」(重要文化財、室町時代様式の書院、春鹿を造る今西清兵衛商店所有)の隣にあり、毎年恒例、この時期にだけ出される春鹿の清酒を買って帰る。

No comments: