Saturday, February 4, 2012

音楽会のノイズ



冷泉彰彦氏のブログ「プリンストン発 新潮流アメリカ」を読んでいたら次のようなエピソードが載っていた。

指揮者 アラン・ギルバート
NYフィルのアラン・ギルバート氏がマーラー第9番の一番繊細な部分を演奏し始め、聴衆がしんと静まり返って聞き入っているまさにその時、突如前方の観客席からiPhoneの着信音がホール中に鳴り響いたのだ。
その後どうなったのかは、CNNのこの記事を読んで欲しい。

このエピソードを読んで、昔同じような事があったと思いだした。
300人くらい収容のホールで、クラシックの音楽会に参加していた。私の数列前に男のお年寄りが座っており、足元にナップザックを置いていた。プログラムやペットボトルがその中に入っているらしく、演奏前からごそごそ出し入れしていた。

やがて演奏が始まり、順調に曲が進行し、徐々にクライマックスに突入し始めた時、その男性がナップザックの中から何かを取り出そうとしたのだが、その何かはプラスチックの袋に入っており、手を動かすたびにバリバリ、バリバリと音をたてて鳴り響いた。
すぐに終わると思っていたのだが、取り出したい何かが見つからないようで、ずっとバリバリが続いた。 さすがに、周りの人が「シー、しずかに」と制した。
暫く静かだったのだが、どうしてもそれが必要だったようで、またまたバリバリ音が鳴り響いた。後ろにいた数人の女性陣から「ちょっと、静かにしなさいよ」と声がかかり、ようやく落ち着いた。
演奏が終り、ぞろぞろと客が帰り始めたが、その老人の周りに4-5人のおばさま方が取り囲み、「貴方ね、音楽会に来る資格がないわよ」とか、「皆の迷惑を考えてよね」、「おかげで音楽会の楽しみが半減したじゃないの」とか、口々に文句を言い、延々と攻撃が続いた。
老人は初めは済みませんとかごめんなさいとか言っていたのが、黙りこんでしまい、「どけっ、帰る」と大声でさけんで出ていった。
その後姿に向かって、聞くに耐えない悪口雑言が投げつけられた。

文句を言いたくなるのはよく分かる、演奏会でバリバリのノイズは勘弁して欲しい。 でも、終わってからお年寄りを取り囲んで、いじめるのはなんか陰惨な感じがする。
戦時中の「非国民呼ばわり」を想起させるよね、「正義は我にあり」が一番怖い。
NYフィルの本拠地
エイブリー・フィッシャーズ・ホール


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