Sunday, May 27, 2012

古稀




この4月に古稀になった。 「いにしえ稀なり」と言うが今日では稀ではなくなっている。どのような謂れがあるのか、いささかの期待をもって調べてみた。


 曲 江    杜 甫
朝 囘 日 日 典 春 衣   朝(ちょう)より帰りて            日々春衣を典し
毎 日 江 頭 盡 醉 歸  毎日江頭に酔いをつくし            て帰る
酒 債 尋 常 行 處 有  酒債は尋常、行ところに            有り
人 生 七 十 古 來 稀  人生70、古来稀なり
穿 花 蛺 蝶 深 深 見  花を穿つ蝶々はしんしん            として見え
點 水 蜻 蜓 款 款 飛  水に点づる蜻蛉は               かんかんとして飛ぶ
傳 語 風 光 共 流 轉  伝語す風光ともに流転             して
暫 時 相 賞 莫 相 違  暫時相(あい)賞して             相違うことなかれ

朝廷から戻ってくると、毎日のように春着を質に入れ、
いつも、曲江のほとりで泥酔して帰るのである。
酒代(さかだい)の借金は普通のことで、行く先々にある。
この人生、七十まで長生きすることは滅多にないのだから
今のうちにせいぜい楽しんでおきたいのだ。
花の間を縫って飛びながら蜜を吸うアゲハチョウは、奥のほうに見え、水面に軽く尾を叩いているトンボは、ゆるやかに飛んでいる。
私は自然に対して言づてしたい、
「そなたも私とともに流れて行くのだから、ほんの暫くの間でもいいから、お互いに愛(め)で合って、そむくことのないようにしようではないか」と。

飲んだくれの自己主張みたいなうたに聴こえる、杜甫47才の時の詩で、人生70年と言っているのに、彼は59才で亡くなっている。この詩のとおり飲んだくれだったらしい。

ボランティア活動で「マイノートの書き方講座」を通じて、残りの人生を
より快適に過ごすための手引書の書き方の普及に務めている。
建築用語で「エージング・デザイン」と言う言葉がある。
木造建築では、建築部所によって使用する木材を変える、風雨に晒されたら
その素材がどのような色、質感に変わるのかを、設計段階で予測して
今から造る建物の10-15年後、木材が変色しても全体の美しさが得られるように設計すること(デザイン)を言う。
私達の人生も(特に老齢期)、木材が風雪で色合いが変わるように、経年変化が起きる、筋力、瞬発力、体力、思考能力などが衰えてゆくのは仕方がない。
衰えてゆくことを想定して、その時でも快適な人生を過ごせるような設計をしておくことが大事だ。
古稀を迎えたらエージング・デザインを自ら考えておかねばならない。






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