Monday, December 31, 2012

天平美人その2

年末なので、少し過去の記事を振り返りたい。
唐墓の壁画
過去の記事の中でどれが一番人気があるか、グーグルで統計データが取れるようになっている。
全期間を通じて一番は「法隆寺 百済観音」、二番「京都 東寺の仏像」、三番は、殆ど同じくらいの頻度で「天平美人」の順だ。
仏像関連は好きな人が世界中に居るらしく、米国、ヨーロッパ、ロシア、カナダなど見ている人の国籍は多岐に亘る、でも天平美人が常に上位にくるのが面白い。

天平美人の記事では、薬師寺 吉祥天女像から始まって、高松塚古墳壁画の女人正倉院御物 鳥毛立女屏風などを取り上げ、唐の陶俑女人像とよく似ていると書いた。

今、東京国立博物館で展示中の「中国王朝の至宝」展に唐時代の陶俑が幾つか出ていたので、再度天平美人のルーツを見てみたい。

唐美人像
まず、唐王朝の名門貴族の墓から発見された壁画。高松塚古墳にあるように、玄武・朱雀・天象などが描かれていて、その中にこの男女侍者像があった。女性の姿は唐時代に好まれた豊満な形で、薬師寺吉祥天女像と似通っている。
後ろ姿

さらに、優美な立ち姿の女性像、やはり豊満なその姿は唐の美人像とされている。眉目秀麗、肉付きがよく(よすぎる?)、ゆったりとした丈の長い上衣をまとい、腰には革帯を締めている。
いずれも、頬がふくよか、大きな髻を結い微笑みを浮かべているようにも見える。
恐らく、この当時貴族や裕福な商人などの間では、少し太めの女性が美人とされていたに違いない。
胡服姿の女性像
フィジーやハワイなど南方の島々でも、女性は太っているのが裕福なクラスで美人とされていたのと共通する。

同じ唐時代でも、奴婢は違う。胡服を着た女性俑像だが、ほっそりしていて、足にはブーツを履いている。唐時代、シルクロードを通じてもたらされた異国の文化が普通に一般社会の中に根付いていたようだ。
我々にとってはこちらの方がかっこ良く見えるけど・・・・

漢時代の女性像
漢時代の官吏像
唐の一時代前の漢時代の墓から見つ
かった男性官吏と女性侍者の陶俑像を見ると、大分、唐美人とは違う感じをうける。
女性は髪を左右に梳き分けて、耳の後ろから後ろ髪と一束にして背中におろしている。
男女とも、着物は右前になっていて、基本的には男女同じと考えられている。
とてもほっそりとしていて、後の唐時代と比べると姿が随分異なる。
男の足元には履(くつ)の先が上がっているのが分かる。
これは歩く時衣を踏んでしまわないように考案されたと言う説がある。

楚の羽人像

ついでに、この展示会では奇っ怪な人物像があって面白かったので紹介したい。
春秋戦国時代(紀元前4世紀頃)の出土品だが、ガマに似ているが牙がある獣、その背中に鳥が羽根を広げて載っている。
さらに、鳥の頭の上に人物が乗る。これが一体何なのかは不明だが、古代人の想像力に驚くしか無い。
展示表示には羽人となっていた。
伝説によると、羽人とは仙人のことで、この像は失われた楚の独自文化を伝えるものらしい。

No comments: