Friday, May 31, 2013

興福寺 南円堂、北円堂特別公開


南円堂
興福寺の南円堂と北円堂が同時特別公開されているので、梅雨のなか拝観してきた。平城遷都1300年の記念行事で6月2日まで。
南円堂の不空羂索観音菩薩坐像は秘仏で毎年10月17日の大般若経転読会という行事の日だけ扉が開く。過去、2008年秋に特別開扉が行われたことがあるくらいで、今回は南円堂と北円堂同時公開、めったにない機会だ。
 
北円堂
北円堂(721年創建、1208年再建)は国宝、南円堂(813年創建、1789年再建)は重文、どちらも法隆寺夢殿と同じ八角形である。北円堂は興福寺の中で最も古い建物となっている。

奈良散策の折、奈良国立博物館方面から、公園の中を通って、興福寺五重塔横から南円堂前を抜けて猿沢の池に降りるルートが私の通り道になっている。南円堂は西国三十三所の九番札所なので、いつも参拝者が絶えない。
不空羂索観音
興福寺の不思議は、寺院としてのまとまりがないこと、そもそも寺域がはっき
りしない、奈良公園の中に塀もなく各寺院がバラバラに建っている。他の寺院参拝は通常南大門から入って金堂、講堂、五重塔など整然とした参拝路があるものだがそれもはっきりしない。境内と言う感覚がないので、鹿も人も、どこからでも自由に入って通り抜けられる。
閉鎖的な寺院建築の中で、ここは珍しく開放的な雰囲気があって、お寺にお参りと言う意識を感じさせないので、気持ちが良い。
しかし、国宝の数は東大寺同様すごい数だし、国宝館には有名な阿修羅像を始め幾多の素晴らしい仏像が展示されている。
しかし、宗派は伝統ある奈良仏教、南都六宗の一つ法相宗だし、織田信長に滅ぼされるまでは大和一国がすべてこの寺の寺領だったと言うすごい寺院だ。

いつも西国巡礼の参拝者が集うのを眺めていた南円堂に始めて入った。
広くない堂内に国宝ばかりがずらり、ご本尊、不空羂索観音菩薩坐像は鎌倉時代の作で運慶の父康慶と弟子たちが造ったもの。
不空羂索観音は六本の手と三つの目を持つ異形の像だが、鎌倉時代の作らしく、仏像としての制約の中でよりリアリスティックな人の姿に似せてあり、異形さを感じさせない魅力がある。菩薩像を中心に周りを固める国宝四天王像は制約が少ない分、よりリアルさが増し迫力がある。
北円堂は国宝弥勒菩薩坐像がご本尊で、こちらは運慶とその弟子たちの作。
静かないいお顔である、鎌倉時代に仏教が庶民に浸透してゆく過程で、康慶から始まる慶派仏師たちのリアリズムが、仏像をより身近にしたのだと実感させる仏像だ。


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