Saturday, November 28, 2015

秦の始皇帝 兵馬俑展


東京国立博物館で「秦の始皇帝 兵馬俑展」が開催されている。兵馬俑は何度も来日展示されてきたが、今回も訪れてみた。
2200年前、中国の辺境にあった小国秦が、中国大陸で「初めての皇帝」を名乗り、統一国家を樹立した始皇帝の巨大な陵墓の埋葬物が展示されている。世界中で特に人気のあるのが兵馬俑だ。
兵馬俑は有名だが、実は兵馬俑の他に文官俑や遊戯俑など始皇帝陵の周りに、まだ発掘されていない埋蔵物が有るらしい。
将軍俑
冠をつけている
陵墓は、皇帝生存中から構築を始め、実に70万人の労働力と40年をかけて完成させた。司馬遷の「史記」に記載されている事が事実だとすると、迂闊に掘りかえせない以下の様なすごい仕掛けがある。
・地下に銅板を敷いて宮殿や楼閣を作った
・水銀を流して川や海を作った
・侵入者を防ぐために自動発射する弓が設置されている
・天井には宝石で描かれた星がきらめいている。
これらは長い間伝説とされてきたが、最近の科学技術調査によると、陵内に宮殿のような空間や水銀の存在が認められている。
皇帝の愛車
立射俑
まだ、考古学的発掘が続いており、新しい発見が今後出てくるだろう。兵馬俑は始皇帝を守護する軍隊であり、8000体の近衛師団が夫々異なった風貌、等身大の大きさで平均1.8メートル、馬、馬車、兵器なども丁寧に作られている。皇帝の愛車だったと思われる壮麗な銅製馬車が2種類あり、大きさは実際の半分ほどで、表面全体は彩色され、馬には金、銀製の馬具が装着されている。とても精緻に出来ていて眺めていて飽きない。
跪射俑
不思議なのは、兵士が身に着けていた青銅製の剣で、この長剣は2200年も土中に在ったにもかかわらず、新品同様の輝きを失わず、専門家によると化学クロムメッキが施されていた。
クロムメッキは1937年ドイツで発明されたもので、2200年前の人がどのように作ったのか全く不明である。さらに、秦以降の王朝、漢時代に造られた青銅製の剣は皆ボロボロに腐食していることから、この技術は伝承されなかったことが分かる。
水道インフラ
兵馬俑の兵士たちは現実の軍隊組織をそのまま再現しているので、当時の組織形態もよく分かる。例えば将軍俑は兵士100人に1人配置され、兵士は軽装備の歩兵と、重装備兵に分かれている。弓を持つ立射兵と、弩弓を引く跪射兵がおり、鎧などの装備が異なる。

度量衡
生活を支えるインフラも作りこまれている、取水口・L字型水道管・水道管など陶製で造られており、大きな漏斗状のものとL字型のものが組み合わされ連結し、さらに円筒状の管を横方向に連続させて地下に水を流すようになっている。水道設備についてはローマが有名だが、秦でも既に水道や下水インフラが使われていた事がわかる。
また、秦帝国は周辺の国々を統一したが、初めて中国全体を経営するためのシステムも構築している。
度量衡、貨幣、法律など、秦以降の王朝に多大な影響を残してきた。



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