Monday, July 17, 2017

人工知能は人間にどこまで追いついたのか

先日、三井住友銀行が融資業務を順次人工知能に置き換えるとの発表があった。聞くところによると、融資担当は、銀行マンのキャリアでは管理者になる登竜門であって、この業務を無事こなせると、営業か融資担当プロパーになって、管理職へ登用される。
一昔前から融資業務には融資条件や、返済への安全性をチェックするためにコンピューターに融資判断をさせる仕組みがあり、会社の決算書のデータを入力するだけで、融資する金額・期間・金利が即座に出る「スコアリングシステム」というものがあったが、その後このシステムはいろいろ問題があり、結局使い物にはならなかった。人工知能では、融資先事業の分析から、銀行内部での評価基準まで従来ベテランの経験と知識が必要だと思われていた知見を、人間よりはるかに短時間で正確に代替できる事が分かった。これからは融資担当はより人間臭いところ、融資先役員などの個人的な付き合いや人間関係などに注力し、営業活動に専念できることになる。

GoogleがGoogle翻訳に人工知能を採用したと、地味な発表をしていた。そんなに気にしないでいたが、先日、和文英訳をやらせてみたら、従来のGoogle翻訳とは格段の差で良くなっていた。これなら翻訳は相当のレベルで任せられるようになるだろう。従来と異なるのは、数多く翻訳させれば、類例が増えより正しい翻訳になることだ。すなわちどんどん依頼者の要求に応じて学習していくと思われる。

人工知能がいわゆるバズワード( buzzword もっともらしいけれど実際には定義や意味があいまいな用語のことで、特定の期間や分野の中でとても人気となった言葉のことである。)の域を超えて、知らない間に社会や、仕事の中に浸透してきているのを感じる。

いったい、人工知能は今どこまで人間に追いついたのか、追い越したのか、興味のあるデータがある。人工知能と人間の能力の優劣はどのような関係にあるのか?ということで、米国、電子フロンティア財団(EFF)がゲーム・画像認識・言語などのカテゴリにおいて、人工知能の能力は人間の能力にどれくらい追いついているのかをグラフ化している。グラフを見ると、既に人工知能が人間を追い越しているもの、まだまだ差があるもの、あと少しで追い越されるであろうものなどが歴然としており、とてもおもしろい。


人工知能がいつチェスで人間を超えたのか
赤の点線が人間、すでに10年以上前に人工知能が
上回っている。その後囲碁、将棋での経過は
御存知の通り
話し言葉の音声認識では、人間のエラー率
5.9%にようやく人工知能が5.9%で追いついた。
左軸がエラー率、赤の点線が人間
画像認識能力での人間のエラー率(5%)に対して
人工知能は3.5%まで来ていて人を超えている

子供の本の読解力の正解率は、人間が82%弱に対して
人工知能は72%でまだ弱い。論理的思考力のテストである。

翻訳については人間を50として、人工知能は
まだ42以下にあるが、2016年以降どんどん
上昇傾向にある。

冒頭の話題のような事例は、身近なものだが、どの仕事がAIに取って代わられると言った話題はもう意味がない。人口が減って、高齢者ばかりになる日本で、従来以上の生産性を上げるには、どの分野でどのAIを使えば良いのかを真面目に考える時代に来ている。


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