2018年6月28日木曜日

ディベートでもAIが人間に勝つのか?



IBMシステムが1997年にチェスのチャンピオンを負かしてから、人工知能は急速に人間を上回り始めて、その勢いは指数級数的なスピードで進歩している。
Googleのアルファ碁、ポナンザ将棋、Googleアフファ碁Zeroによるあらゆるゲーム、IBMワトソンによるクイズ番組ジョパディでの勝利など、ルールのあるゲームではもう人間はAIに勝てない。さらに驚くことに、今回IBM Project Debator が人間とのディベートでも対等かそれ以上の結果を出し始めた。

ディベートとは、その場で与えられたテーマについて肯定側と否定側に分かれて討論し、観客にどちらの主張に説得力があったかを判断させる競技。IBM Debaterは2人のプロのディベーターと競い、1人を大差で負かした。まず、イスラエルの2016年度のディベートチャンピオン、ノア・オバディア氏と「政府支援の宇宙探査を実施すべきか否か」というテーマでディベートした。Debaterは肯定側、オバディア氏が否定側になり、それぞれ4分ずつの主張の後、互いに反論した。その結果、大多数の聴衆がDebaterの主張を支持した。
ノア・オバディア氏との動画Debateはこちらから

イスラエル国内でディベートのチャンピオンであるオヴァディア氏は、コンピュータの言葉の流暢さと、文章を構築する能力に感銘を受けたと語った。彼女はコンピュータが「私の議論の要点をきちんとつかみ」返答することができていたと言った。予想通り、機械は数値など、詳細にわたって議論の裏付けとなる証拠を引用することに人間よりも長けている。また議論の中で最も重要で、注目を集める勘所を理解し、自分がコンピュータであることを皮肉るようなジョークを交えることさえできた。

ダン・ザフリル氏
もう1人のプロのディベーター、ダン・ザフリル氏とは「遠隔医療の利用を増やすべきか否か」で討論したがどうやら、引き分けになったようだ。

IBM Debaterの公式サイトはこちらから
いずれのテーマについても、IBM Debaterも人間も事前には知らされていないし、IBM Debaterは学習もさせられていない。与えられたテーマについてまとめるだけでなく、その場で人間が主張したことに反ばくし、聴衆を説得するだけの論理的な説明が可能ということだ。

システムはまだ完璧でなく、研究者たちは、機械には思慮深さが足りないと述べた。時々ジョークが正確ではなかった。また、ドイツの新聞やアラブの族長についてなど、いくつかの引用が適切ではなかった。
海外ではディベートは子供の頃から訓練し、教育の重要な一部となっている、昔、ケネディとニクソンがTVで公開ディベートをやり、圧倒的にケネディがインパクトを国民に与えて、大統領になったのは有名なエピソードだ。
日本人はディベートの訓練も余り受けていないし、多分下手だろうと推測する、AIが日本語をサポートすれば、勝てっこないと思うが、逆に将棋ソフトのように、AIに学べば強くなるのではないか。

「表現力やオリジナリティのある言葉を選ぶのは、人間のほうが得意」とIBMのAIリサーチ分野の副社長ダリオ・ジル氏。「人間は、要点を彩るために個々の個人的な経験を用いることができる。機械は現実世界に生きていないし、活用できる生活も持たない」
AIとDebate
IBM Debaterは、IBMのリサーチチームが6年を費やして構築した。このチームはDebaterに、データドリブンの音声の記述と配信、長いセンテンスの話し言葉の中に隠された主張を識別する聞き取る能力、独自のナレッジグラフで人間の矛盾をモデリングし、基本的な議論を可能にする能力をもたせた。ディベートという競技は、これらの能力のテストに最適という。Project Debaterを商用化する計画は差し当たり無いようだが、ジル氏は弁護士などの職業につく人間にとって、この技術が将来意思決定の役に立つかもしれないと述べた。

米国の弁護士は訴訟に当たって、パラリーガル達に、過去の判例とその資料を準備するために時間とお金をかけていた。だが、今やその様な作業はAIが担当する、そのほうが早いし、安くなっている。いわば疲れを知らないロボットの役目だ。その収集した資料に基づいて、訴訟の戦略を立て、説得するのが弁護士の仕事になっている。
これからは、おそらく、ロボット技術と合体することで、弁護士の役割はAIに取って代わられるだろう。
IBM Debaterの動画はこちらから

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