2018年12月1日土曜日

三井記念美術館 仏像の姿展


東京日本橋・三井記念美術館で開催された「仏像の姿」展を見た。この展覧会のテーマは「仏師」である、仏師と言っても、平安時代の定朝や鎌倉時代の運慶、快慶という大仏師ではなく、時代や地域、社会的な地位を離れたいわば目の前にある仏像の作者を対象としている。展覧会のテーマである仏像の姿(かたち)の副題が、微笑む・飾る・踊るとなっていて、仏像の「顔」、「装飾」、「動きとポーズ」の3点に着目した展示。観客が自分の感性で、仏師の工夫、技術、独創性などを自由に楽しめるようになっている。いわゆる仏像の基準とか規範にとらわれることなく、美術として自由に鑑賞すればよいというスタンス。仏師がアーティストになる瞬間を見つけられれば面白い。また、東京芸術大学文化財保存学とのコラボによって、奈良時代以降の仏像制作時の仏師の立場で、模刻、復元、修復作業など、現代の東京芸大の仏師たちが作った作品も展示されている。

不動明王立像
歌舞伎の見得の形か
個人的には仏像の「動きとポーズ」をテーマとした仏像に惹かれた。もちろん西洋美術のような人体解剖に基づく人の動きやポーズとは同列ではない、もともと日本の仏像は坐像であれ、立像であれほとんど動きが無いのが普通。しかしじっくり見てみると、微妙な体の捻りや手足の上げ下ろしによる体の動きは随所に見つけられる。それを発見するのも面白い。さらに愉快なのは踊っている仏像たちの姿だ。宇治平等院鳳凰堂の本尊、阿弥陀如来像の壁面を飾る大勢の雲中供養菩薩が有名で美しいが、そこまで行かなくともユニークな動きをしている仏像もあり、思わず微笑んでしまう。
宇治平等院ミュジアムの踊る菩薩たちはこちらから

迦陵頻伽
胴体は人間、足は鳥 飛び回って踊る
五大明王
並べて見るとダンシング

菩薩楽団
竪琴・平琴・笛の合奏中

12神将たち
一体づつ大見得を切っている
阿弥陀如来の脇侍
よく見ると後ろ足をぴょんと跳ね上げている

仏像のトルソ
ギリシャ彫刻と見紛うような・・

東京芸大生が作った寄木造り像
どこが寄せ木になっているのか一目瞭然

11月の平日午前中に入ったので、空いていてじっくり時間をかけて鑑賞できた。いつものことながら、美術館で仏像を見るのが好きだ。十分な光、工夫された展示、的確で実証的な解説など満足感を得られる。最近、重文や国宝のある寺院が、ミュージアム化して本堂から仏教美術品を展示専用室で展示するところが増えてきた。私のように仏像を美術として鑑賞する人たちには歓迎すべき動きだが、信者にはどのように捉えられているのだろうか、気になるところだ。

0 件のコメント: